「非正規でも職場復帰」「組合なら勝てる」河合塾裁判

昨年5月21日、中央労働委員会で河合塾の不当労働行為が認定され、当組合の書記長である佐々木さんを復職させるよう命令が下りました。しかしながら、河合塾は、これを不服として、中労委(国)を相手取って命令を取り消すよう裁判を提起しました。この裁判によってさらに係争の時間が続いてしまい、佐々木さんは、実に10年以上もの間、河合塾への復職が叶わないことになりました。

しかし、今年9月26日に、東京地裁は、再び河合塾の訴えを斥け、佐々木さんを復職させる中労委命令を支持する判決を下しました。この裁判では、加えて、早期の復職を目指して緊急命令も求めていましたが、東京地裁は、この緊急命令についても認めました。

緊急命令は強制力を持つもので、今後、佐々木さんは職場復帰する予定ですが、同時に、河合塾は東京地裁判決を不服として、控訴もしています。佐々木さんは復職できますが、河合塾との係争自体は続いていきます。

こうした現状について、本日(10月23日)、世間に広く伝えるために、佐々木さんは厚労省記者クラブにて記者会見を開きました。記者会場では「非正規でも職場復帰」「組合なら勝てる」というメッセージを掲げ、佐々木さん一人の問題ではなく、非正規の労働者全体に関わる問題であることについても訴えました。河合塾で業務委託として働いていた佐々木さんは、10年という長い期間をかけて係争を続けると、諦めてしまう非正規労働者がほとんどであることを認めつつ、そうした中でも、非正規労働者が使用者に勝利したことの重要性を強調しました。以下に、この記者会見で取り上げられた記事を紹介していますので、ぜひご覧いただければと思います。

河合塾と戦った元講師、10年ぶりに教壇復帰へ 組合活動理由に契約結ばないのは違法と認定 東京地裁(弁護士ドットコムニュース)

河合塾の不当労働行為認定 ユニオン書記長復職命令 東京地裁(しんぶん赤旗)