桜美林大学

Report of negotiation  (2019.11.14)

In today’s negotiation with the Union, Obirin replied as follows: 

1. It was already decided that all the English courses in the College of Performing and Visual Arts will be subject to out-sourcing, but it begins from year 2021, not 2020.

2. Out-sourcing of Core English courses in the College of Global Communication will be done starting 2020, but non-Core courses (compulsory elective ones) will be taught by full-time professors and adjunct instructors. There surely will be retirement of instructors, so no dismissals, layoffs or cut komasu are expected in 2020. 

3. Executives of CPV have made a decision to out-source all the Core courses, but executives of Obirin University intend to continue examination of its plausibility including whether all the courses are actually out-sourced in 2021 or not, while discussing the matter with the Union. At present, nothing is fixed about the scales or contents of out-sourcing will be in 2021.  

 
桜美林大学が芸術文化学群の英語科目を丸ごと外注化

ベネッセ 系のベルリッツする方針を発表したため、首都圏大学非常勤講師組合と東京ゼネラルユニオンは撤回を求める団交を申し入れました。
大学は団交開催時になって突如団交に応じない態度を二度繰り返したため、非常勤講師組合は神奈川県労働委員会に不当労働行為救済申立を行い 、そのことが報道されると、大学は団交に応じ、来年度については芸術文化学群の英語科目の外注化を撤回しました 。

【友好団体である首都圏大学非常勤講師組合関連】

首都圏大学非常勤講師組合と東京ゼネラルユニオンの団体交渉申入、及び不当労働行為救済申立により、桜美林大学は来年度の芸術文化学群の英語科目の外注化を撤回しました 

首都圏大学非常勤講師組合 書記長 今井 拓 

(2019年11月18日) 

芸術文化学群の英語必修科目全体の外注化により、非常勤講師の大量解雇か 

 桜美林大学のリベラルアーツ学群の英語専攻部門は、7月8日、町田キャンパスの英語科目を担当する非常勤講師に、芸術文化学群の英必修科目の全体が2020年度から外注化され、非常勤講師が担当する科目数が大きく変動することを通知しました。芸術文化学群の英語必修科目は、通年72コマに及び、そのすべてを非常勤講師が担当しています。一人、4コマ程度担当しているとすれば、非常勤講師の解雇や雇い止めが18名に及ぶことになる重大な事態でした。また、グローバル・コミュニケーション学群でも、4月に、英語科目の一部外注化が通知されていることも分かりました。首都圏大学非常勤講師組合(以下、非常勤講師組合という)と東京ゼネラルユニオン(以下東ゼン労組という)は、外注化と解雇、雇い止めをやめさせる為、加入して闘うことを非常勤講師たちに呼びかけ、外注化の通知以降、現時点までに、町田キャンパスの英語科目担当非常勤講師約50名のうち、90%を超える者が両組合に加入しました。非常勤講師組合は、7月19日、東ゼン労組は、9月19日にそれぞれ桜美林大学へ団体交渉を申し入れ、非常勤講師の雇用の継続と収入の確保を求めました。 

良好な労使関係や従来の団交ルールを一方的に覆し、外注化の推進に踏み込む 

 これまで、非常勤講師組合と桜美林大学は、契約年限の設定や大量の大幅コマ減に係る事案について、団体交渉を通じて解決し、それぞれ2011年と2012年に確認書を締結するなど、非常に良好な関係を築いてきました。ところが、今回については、当初の申し入れから2か月以上も団体交渉の開催が引き延ばされた上、9月24日の第1回団体交渉の当日になって、一方的に団体交渉への参加人数の制限を求め、組合側が納得しなかったことを口実に、席上から団交担当者が退席し、桜美林大学は、非常勤講師組合との団体交渉を拒否するに至りました。また、東ゼン労組の第1回団交でも、第2回以降の団交時の使用言語について同労組が改善を求めていることを口実に、桜美林大学は、団交の開催日程を一方的に順延しました。 

両組合は、桜美林大学の不当労働行為について労働委員会に提訴 

 正当な理由なく団体交渉の開催を拒否し、順延させたことに対して、東ゼン労組は10月28日、東京都労働委員会に、非常勤講師組合は10月29日、神奈川県労働委員会(以下神労委という)に、それぞれ不当労働行為救済申し立てを行い、10月29日、両労組と全労連神奈川県連・横浜地区労からも同席して、神奈川県庁で記者会見を行いました。会見の模様はテレビ神奈川の夕方のニュース番組で放映され、地下鉄のテロップでも流れるなど、大きく報道されました。一大学の単なる団交拒否事件ではなく、英語教育の外注化に係り大量解雇が強行されかねない状況が生じていることが注目され、問題となったものです。これまでの非常勤講師組合の活動の経験でも、解雇、雇い止め、コマ減事案で、具体的な通告がなされる以前の段階で、労働委員会に救済申立を行い、それがテレビ等で大きく取り上げられたことはありませんでした。これは、桜美林大学にとっても、想定外の状況であったと思われます。 

11月14日、桜美林大学との団体交渉が実現。2020年度に解雇、雇い止め、コマ減は発生しない 

 これらの報道を受けて、桜美林大学は11月14日、非常勤講師組合との団体交渉に応じました。(ただし、組合側団交参加人数の制限等のルールの一方的変更等の措置については、桜美林大学はいまだに固執しています。) 

団体交渉では、冒頭にグローバル・コミュニケーション学群について、英語科目の半数程度の外注化が行われるが、職種転換や退職による非常勤講師の自然減により、2020年度に解雇、雇い止め、コマ減は発生しないとの見通しが示されました。 

芸術文化学群の外部委託の導入は2021年度から・・、しかし、違法性の疑いは濃厚 

次に、芸術文化学群については、英語科目を2020年から外注化するとの通知は間違いであったとリベラルアーツ学群の英語専攻部門による通知を撤回、芸術文化学群の執行部で決定されていたのは、外部委託の2021年からの導入であったと説明しました。 

組合側は、① 桜美林大学は、非常勤講師の雇用の継続や収入の安定化等に配慮してきており、今回についても誠実に対応すること、② 大学設置基準に照らし、外部委託講師への授業全体の丸投げは違法性が疑われるものであり、それに伴う解雇、雇い止めやコマ減は到底許されないこと、③ 無期転換した非常勤講師の解雇や収入減を避けることは法令上の義務であること、を指摘しました。また、大学教育の改革については、現場で教壇に立っている教員の意見を踏まえて検討をすすめるべきであり、非常勤講師とよく話し合うべきである、との組合の立場を表明しました。 

桜美林大学は、芸術文化学群の外注化でも解雇、雇い止め、コマ減が生じないよう努力することを約束 

 組合側の主張を受けて、桜美林大学は、この問題で雇い止めやコマ減など団体交渉の事案が発生しないよう努力することを約束しました。同時に、2021年から導入される外注化についても、必修科目72コマの全体でなく、現場の教員と話し合いを行いながら、例えば、さしあたり、全体の20%を対象とするなど、問題が生じた場合などに原状回復も可能となるよう徐々におこなってはどうか、という組合側の提案に対しても、検討すると約束しました。 

団体交渉と労働委員会を活用し、外部委託問題の解決をめざします 

 今回の団体交渉における桜美林大学の回答により、さしあたり、2020年度の外注化は延期され、2021年度以降の外注化の具体的な進行について、今後の団体交渉で協議を行うことになりました。団交拒否の状態は解消され、大量解雇等の事態を回避する道筋もつきつつあります。非常勤講師組合と東ゼン労組の労働委員会への救済申し立て、及び共同記者会見でのアピールが功を奏したと言えます。今後は、第2回団交で、個別事案化を回避するため、2021年度の外注化の具体的な規模等に踏み込み交渉することになります。また、12月24日に予定されている神労委、第1回調査日に向け、従来の団交ルールの確認を求めていくことになります。桜美林大学の側の対応如何では、神労委での早期の和解により、この問題を解決することも展望できる状況です。 

 非常勤講師組合は東ゼン労組とも協力し、問題の解決へ向け引き続き奮闘していきます。 

【English  version】
Report of negotiation  (2019.11.14)

In today’s negotiation with the Union, Obirin replied as follows: 

1. It was already decided that all the English courses in the College of Performing and Visual Arts will be subject to out-sourcing, but it begins from year 2021, not 2020.

2. Out-sourcing of Core English courses in the College of Global Communication will be done starting 2020, but non-Core courses (compulsory elective ones) will be taught by full-time professors and adjunct instructors. There surely will be retirement of instructors, so no dismissals, layoffs or cut komasu are expected in 2020. 

3. Executives of CPV have made a decision to out-source all the Core courses, but executives of Obirin University intend to continue examination of its plausibility including whether all the courses are actually out-sourced in 2021 or not, while discussing the matter with the Union. At present, nothing is fixed about the scales or contents of out-sourcing will be in 2021.